今年の山の日は木曜日。連休にはならないから、都会に住む人々は遠出して山登り、という訳にはいきませんね。こんな時は、山の畑のブドウから産まれたワインを飲んで山の恩恵に感謝しましょう。

カリフォルニアワイン通が、よく口にする“山カベ”という言葉。ナパ・ヴァレーの山岳地帯の畑のカベルネのことです。南北に伸びるヴァレー部分を囲む東西2つの山脈に拓かれた畑のブドウからできたワインは、平地とは異なる渋味と酸味の備わった引き締まった味わいになります。このワインは、標高600mを超えるスプリング・マウンテンにあるワイナリーのカベルネ・フラン。

真夏に飲む赤は、山の上の涼しさを思わせる、凛としたワインがいいですね。このワインができる環境とは・・・、そして山岳地帯のワインの特徴とは・・・。詳しくは、各画像のキャプションをご覧ください。

標高2000フィート、アッパー・ボウル・ヴィンヤードのカベルネ・フラン。山の斜面の砂利の多い土壌は、ブドウに適度なストレスを与える過酷な環境のため、平地に比べると実が小さく果皮の渋み成分が多く、果実味が強すぎない引き締まった味わいのワインになります。

早朝、ワイナリーの敷地内では、下界を完全に覆い隠すような濃い霧の雲海が見られます。畑は夕方から立ち上ってくる濃霧のラインよりも高い位置にあるので、昼間の日照には恵まれます。

現当主、マイケル・キーナンの父の提案により設置したソーラーバネル。2007年に稼動し、ワイナリー、管理事務所、来客用エリア、敷地内の住宅に電力を供給しています。ワインボトルの裏ラベルには、「太陽光発電とサステイナブルな農法で栽培されています」という一文がグリーン色の文字でくっきりと。

ブルーベリーや黒いプラムのフレーバー、ブラッドオレンジの酸味。しっかりした骨格がありながらエレガントなしなやかさも兼ね備えたこのワインには、きめ細かく柔らかな質感の国産牛フィレをステーキを。かすかな草の香りに合わせて夏野菜をあしらい、涼感を添えました。

ワイナリーの情報はこちら
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輸入元はこちら
https://www.the-stella.com/

文・写真: 近藤さをり