8月19日はNational Aviation Day(全米航空の日)です。

1939年の大統領令で、飛行機を発明したライト兄弟の弟、オーヴィル・ライト(1871-1948)の誕生日を「全米航空の日」と定めたのがその始まり。航空の発展を記念するために制定されました。

1992年8月、当時働いていた航空会社を休職した私は、カリフォルニアのグレンデール・コミュニティ・カレッジの航空学科に入学し、1年を過ごしました。卒業生の実習フライトで、バーバンク空港からサンタローザ空港まで、約1時間半の飛行に同乗したときのこと。窓から望む、息を飲むほど美しいブドウ畑の景色に、私はすっかり魅了されてしまいました。それから四半世紀を経て、カリフォルニアワインの仕事に就くことになった遠因はここにあります。

コロナ禍が終息し、カリフォルニアの大空を飛ぶ機会が再びもてるようになった日には、ぜひ窓側の座席にすわって、眼下に広がるブドウ畑を眺めてみてください。もちろん、カリフォルニアワインが入ったグラスを手にしながら、です。ライト兄弟が乗った原始的な飛行機では、機上でワインを愉しむことなどとても望めなかったでしょう。21世紀に暮らす私たちには、そんな贅沢も許されています。

●文:扇谷まどか(カリフォルニアワイン協会 北アジア・豪州地域共同代表)