明日から7月。今年は記録的に早い梅雨明けとなり、まだ6月だったことが信じられないくらい暑い日々が続きましたね。こんな季節には、涼感誘う白ワインをキリリと冷やして楽しみたいもの。カリフォルニアでも有数の標高が高く涼しい畑のシャルドネは、酸味キリリの引き締まった味わい。ひんやりと喉を潤し、白桃やレモンバーベナ、グアバの余韻が口の中をジューシーに保ちます。

今月を振り返ると、11日にこのワイナリー、カレラの創設者、ジョシュ・ジェンセン氏が逝去されました。享年78歳。カリフォルニアワイン現代史にその名を刻むピノ・ノワールの先駆者です。若い頃からワインにハマっていた彼は、イギリス留学時代にブルゴーニュワインに魅せられ、現地の著名ワイナリーで修行。最高級のブルゴーニュ品種栽培には石灰質土壌が不可欠との信念を胸に、1971年から2年を費やして最適の地を見つけました。夢を追い求めることに全力を注いだ彼の足取りは、画像3枚目のキャプションのリンクから読めます。

心より、ご冥福をお祈りし、このワインで献杯します。

カレラ・マウント・ハーラン・シャルドネ。畑があるのは標高670mの場所。かつて石灰岩が採石されていた鉱山の跡地でした。ラベルに描かれたアイコンは、ここに建てられていた石灰を焼成する窯、ライムキルン。そのスペイン語であるカレラをブランド名としました。

カレラのテイスティング・ルーム(2014年筆者訪問時)。眺めの良いテラスのテーブルでもワインを楽しめます。

2013年のワイン・スペクテイターの表紙。ジョシュ・ジェンセン氏がピノのパイオニアと呼ばれるに至ったストーリーが10ページにわたりレポートされています。ワイナリー公式サイト上での転載記事は、こちらから。
https://www.calerawine.com/assets/images/contentblock/files/Wine-Spectator-Cover-True-Grit.pdf

暑くて減退した食欲を掻き立ててくれるビュアな酸味だけでなく、強靭さも感じさせるワイン。この畑の土壌の石灰岩のようなパルミジャーノの塊を割って食べると、噛むほどに旨みが増幅。次の料理に食指が伸び、夏の前菜に最適です。

文・写真: 近藤さをり

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