アメリカのライフ誌が掲載した一枚の地球の写真。それを見たひとりの男は、「こんなに美しい惑星を未来の為に守らなければいけない」と心に誓いました。そんな彼の呼びかけで、地球を救う営みとして始まったのが、地球の日・アースデイ(Earth Day)です。

1970年、アースデイは、サンフランシスコから始まり、2,000万人の参加者が集うパワフルなイベントに発展しました。時代は、まさにベトナム反戦デモや、ウッドストック・フェスティバルと同時期。人々の強い想いは、エリアを超えてネットワークを紡ぎ、国を超えて影響を及ぼしました。

日本とアースデイを繋ぐ大切な絆があります。ニューヨークの国連本部にある『日本の平和の鐘』です。地球の平和を願う国境のない世界地図と、核兵器廃絶の祈りが刻まれたデザインの鐘は、日本が国連へ加盟が許される前に寄贈したもので、毎年、アースデイに鳴り響きわたります。

サステイナブルなワインづくりは、カリフォルニアでは決して特別なものではありません。“Earth, Wind & Fire”—–土や大気や太陽、そして水などの資源を守るのは大切な務めです。また、ワインを造り販売できる社会背景と近隣住民などを助ける営みは、この地が育む芳醇で高品質なワインを持続可能なものにすることに他ならないからです。

一枚の地球のポートレートがアースデイのきっかけになったように、ワインを未来につなげる思いは、カリフォルニアのワイン生産者に、地球を守る大きなきっかけとなりました。それこそが、彼らを真の“サステイナブルワイングローイング”へと真摯に向き合わせるのでしょう。

地球の日・アースデイに飲む、カリフォルニアワインは、より特別な一杯となるでしょう。

●文:川邉久之(ワイン醸造技術管理士)