恵比寿ガーデンプレイスや目黒駅から徒歩で数分。大きな通りからちょっと入った静かな住宅街にある一軒家のワインバー。9席だけのL字型カウンターは、はす向かいに座った同士が自然に言葉を交わしたくなるような温かで安心感のある空間を作り出しています。

ソムリエールのひろこさんは、働く女性の味方になるような場所を作りたいと、2008年にこの店をオープンしました。カリフォルニアへの留学を経て旅行業に携わり、ホテルのバーでひとり、仕事で疲れた心身をリセットした時に浮かんだ考えが出発点でした。
おひとり様来店していたワイン好きの女性客は、ひろこさんと話をして、グラスで勧めてもらうのが楽しいと言います。自身でワインは選ばず、この店で勧められたものだけを飲んでいるという常連男性客は、いろいろ試す中で美味しく感じたのはカリフォルニアで、甘みと深みの魅力を感じるそうです。カウンター越しのコミュニケーションがワインの美味しさを一層引き立てる、そんな店です。

花屋に通い、季節の花を活けて店内を飾るのが楽しいというひろこさん。ラインナップの半分はカリフォルニア。お勧めワインを説明する語り口にも、かつて住んでいたからこその愛が溢れます。今月中旬の試飲商談会でも興味あるワインを見つけた、との話だったので、下記にはない新たなアイテムにも出会えるかも。

写真左から(価格はグラス1杯分・税抜)
1. カレラ・シャルドネ・ジョシュ・ジェンセン・セレクション 2017(1,400円)
裏ラベルに詳細な畑の情報があってリーズナブルなワイン。樽香が突出せず、誰に出しても美味しいと評判です。

2. アリエッタ・メルロー・ハドソン・ヴィンヤード 2015(2,500円)
メルローの本当に良いところが出しているワインで、アルコール度数14.9%ながらも優しい味わい。これしか飲まない、熱狂的なお客様がいらっしゃいます。

3. オー・ボン・クリマ・ノックス・アレキサンダー・ピノ・ノワール 2015(1,700円)
生産者のジム・クレンデネンは2度も来店していて、息子のノックスも予定があったのがコロナで延期に。彼の名を冠したこのワインは酸が活かされた男性的なワイン。食事の後に来店し、チーズなどつまみながら強めのワインを楽しむビジネスマンなどに人気です。

4. シルヴァー・オーク・アレキサンダー・ヴァレー 2014(2,800円)
アメリカンオーク100%のスパイシーさと柔らかさを備え持つソノマを代表するカベルネと言えます。Tボーンステーキなど肉料理に合います。

OliVino
東京都目黒区三田2-8-6
営業時間:月~土曜日 19時~26時
日曜日定休
TEL:03-5721-9335
Website:ameblo.jp/wine-olivino

文・写真 : 近藤さをり