ワイナリー訪問でよく目にする、オーク(ブナ科の楢材)で造られた樽は、木の温もりだけでなくワイナリーの歴史や高級感さえ感じさせます。そこで、きょうは、ワイン造りの視点からこのオーク樽を紐解いていきます。

ワイン造りにおいて、樽の使用には二つの大切な役割があります。一つは樽でワインを熟成することで、木目を通じてワインが呼吸をして味が柔らかくエレガントに育つこと。もう一つはオークの風味がワインに溶け込み、料理のスパイスのように絶妙な風味の付加がされることです。

カリフォルニアワインでは、オーク樽使用の傾向が強いのですが、その理由として、バニラ、カラメル、チョコレート、薫香などの代表的なオークの風味が、アメリカ人の嗜好に沿うということが言えます。これは、日本人が出汁や醤油の風味を好むように、生活習慣や背景で得た風味への高い親しみを感じることと同じですね。また、雨が殆ど降らず、太陽が燦々と照らすカリフォルニアで造られたワインは果実のボリュームがあり、豊かなオークの風味とバランス良く纏まるのも理由の一つです。

いわゆる”樽を効かせた”カリフォルニアワインは、アウトドアでのBBQやスペアリブ、また焼き鳥や炉端焼などのマリアージュにも最高! 秋から冬にかけて、樽で熟成されたフルボディーのワインで心も体も温まりたいものです。

●文 : 川邉久之