カリフォルニアワインマンス2022は、本日最終日。

今年は「カリフォルニアワイントラック」という形で、普段あまりカリフォルニアワインに接していない方々とも言葉を交わすことができました。他の出店者のみなさんとは、お互いが販売するアイテムを紹介しあったり、ペアリングを一緒に考えたり、マーケットならではの出会いや交流が。ここには素敵な連鎖がありました。 YEBISUマルシェと青山ファーマーズマーケットの事務局の方々のご協力とアドバイスにも感謝します。

「カリフォルニアワインに合わせるあなたのお勧めは?」という問いに、それぞれの形で答えてくださった、マーケットの出店者さん達。都心から離れてお住まいのみなさんにも、ワインライフを楽しくするヒントになれば・・・と思い、ここに紹介します。

各画像のキャプションで、ご覧ください。

9月11日(日)はYEBISU マルシェ9月24日(土)と25日(日)は青山ファーマーズマーケットに出動したカリフォルニアワイントラック。それぞれに、お客様と出店者さんとの素敵な出会いがありました。

YEBISUマルシェに出店していたオーガニック・ヴィーガン・グルテンフリースイーツの「compassion」。全てオーガニッで有機JAS、同等水準の有機認定機関、自然農法で育った食材のみを使用しているということ。サステイナブル認証ワインのみ集めた私たちのコンセプトに共感し、トラックを訪問してくださった出店者第一号です。 多くの焼き菓子が並ぶ中、ワインに合うものとしてお勧め頂いたのが『おつまみスティッククッキー』。甘くない、チリペッパーやカンポットペッパーなどのスパイスが効いたお味。

Bug(虫)、Grass(草)、Farmers(人)が共生する畑で育った作物を提供する「バグラス北総農産」。なんだかカリフォルニアのサステイナブルなワインづくりに通ずるお名前。ブドウの実の量り売り、マッシュルームの1個ずつ売りと、買ったらすぐにそのまま摘まんで食べられるものがありました。ブドウは農家が出荷する段階で、こうして梗から外すと鮮度も味も持ちが良いんですって。ブラウンマッシュルームは2つに割って、塩を多めに振って生食するとワインとの相性抜群、と勉強になるお話をたくさんいただきました。

伊豆半島の付け根、清水町から出店の「昔のとうふ屋さん小の久」。「ここの『豆乳レアチーズ』をワインと試してみて! 」と紹介してくださったのは、先のバグラス北総農産の方でした。常連出店者同士、お互いの商品をよくご存知。生クリームの代わりに豆乳を使用しているので、ヘルシーかつ優しいお味。味を見て即決でシャルドネを勧めたワイントラックソムリエでしたが、とうふ屋さんが試飲しての推しはアルバリーニョ。はい、まちがいなくどちらにも合います! プロのお勧めがあっても、自社商品を知り尽くして自身の感覚を重んじる姿勢、カッコいいです。

和歌山から出店の「みかんやヒロシ」。「甘いで~。食べてみて、どのワインに合うか教えてや」と、ヒロシさんが持ってきてくださったのは、まだ青々とした小粒の極早生みかん、『日南の姫(ひなのひめ)』。みかんにワインという難題をクリアしての、ワイントラックソムリエのチョイスは、「タンジェント ピノ・グリ エドナヴァレー ・パラゴンヴィンヤード」。みかんの甘さを引き出してくれる、と。聞きつけたとたん、即座に買いに行き、周囲の人にみかんを分け与えるフッカルなお客様。マーケット上級者です。

北欧スタイルのベーカリー「BRØD」。デンマーク出身のヘンリックさんが、ワインに合うよ、と持ってきてくださったのは、自家製サワードウの『クリスプブレッド』。カボチャやヒマワリの種、亜麻仁、ゴマをまぶした風味豊かでサクサク心地よい食感。ワイントラックソムリエが試食して、どんなワインにも合いそう、と言いつつ、ベストのお勧めとして選んだのは、「ウェンテ モーニング・フォグ シャルドネ」でした。

かわいい子ヤギを連れて出店、撫でに来るお客さんが絶えない「山羊さんの贈り物」。山羊チーズや山羊ミルクパンワイン酵母のパンが美味しそう、と見ていたら、玄麦を自家製粉して焼いたパンはみなワイン酵母を使っているのだと教えて下さいました。ワインに合わないわけがありません! 中でも『雑穀パン』は、あわ、きび、ひえ、たかきび、アマランサス、はと麦、ライ麦、大麦、玄小麦、トウモロコシ、ゴマ、黒米、赤米の13種の雑穀が。穀物繊維が身体のバランスを隅々まで整えてくれるとの話、健康も気遣いつつワインを飲む人に、お勧めです。

YEBISUマルシェでもご一緒した「甲州きくらげ」。味は淡泊で食感を楽しむ、このキノコに「ワインにはどれが合うの?」というのは難題でしたが、両会場それぞれの出品の範囲で鮮やかに回答してくださいました。『きくらげグラノーラ』は、きくらげとナッツのカリカリ食感に無添加はちみつとチャイのスパイスで仕上げた甘さ控えめ大人味。赤ワインに合うそうです。ぷるぷるコリコリの『きくらげ生姜醤油』は、醤油味が染み込んでいて、やっはり赤かな・・・なのですが、ご飯に混ぜたり炒飯やスープの具材にもなるので、いろいろ合わせてみる楽しみがありますね。

ネパールの山岳地帯で育てられた品種未改良の希少なピーナッツから作られる「SANCHAI PEANUT BUTTER」。「これを舐めながら焼酎を飲む常連のお客さんがいる」と、勧めて下さったのは、無糖のピーナッツバター。普段はあまりワインを飲まないといいつつ、トラックに試飲に来て、合うワインを考えてくださいました。「1924スコッチ・バレル シャルドネ」のナッティなフレーバーも合いますが、お気に入りは「オークリッジ・ワイナリー オールドソウル プティ・シラー」だったようです。ワインのバニラ香とリッチでスパイシーな味わいが、強い太陽のエネルギーを浴びながら育った濃厚なビーナッツの風味と渡り合います。

スリランカの大自然で育った生胡椒の専門店「アパッペマヤジフ」。ワインとぜひ試して欲しい、お勧めの食べ方があるのだとか。生胡椒を粗挽きした『ブレイクペッパー』をポテチに載せるだけ。塩漬けにしてあるので、何も足さずにそのままで。柔らかな歯ごたえ、ピリッとした辛さを感じた後、爽やかな余韻が長く続きます。辛みを和らげたいならジンファンデル、強く感じたいならソーヴィニヨン・ブランがお勧めです。

ギリシャの伝統的な製法でティリーというチーズを作っている「Little GREEK Kitchen」。沖縄で牛乳、山羊乳ともに沖縄産100%を使っているそう。フェタに味が似ているならカリフォルニアワインも合うから勧めて!とお願いしたら、試飲にいらっしゃいました。赤・白・ロゼと試して、どれがベストマッチ、という結論はなかったけれど、ギリシャワインとは違った相性の可能性は認めてくださったようでした。

ドライフルーツやナッツの「Lapis・lazuli」。ワインと聞いたら、迷うことなく『燻製ミックスナッツ&チーズ入り』をお勧め。サクラチップで燻製した素焼きのアーモンド、くるみ、カシューナッツ、マカダミアナッツ。そこにフリーズドライのチェダーチ-ズの塩味が加わり、食べるとお酒が欲しくなること請け合いだと。スモーキーなナッツは、樽香が効いた果実味豊かなカリフォルニアワインには、ぴったりかも。

各地の農家が生産した“農作品”を販売する「三井ナチュラルガーデン」。たくさん並んでいる青果の中からピックアップしたのは、北海道仁木町の『アイコトマト』。この町のトマトは格段味が濃いから、と。さくらんぼの町だった仁木町も、今やすっかりミニトマトが有名ですものね。長卵型のこのトマト、ゼリー質が少なく肉厚で、甘みも濃厚なので、果実味豊かなワインと合うんですって。

私たちと同様、初出店だった大分県玖珠町の日本蜜蜂はちみつ農家「福8堂」。ちょっと驚くような高価格だけれど、完全に野生の蜂から蜜を採取することの労力と、それに伴う品質の高さのことを思うと、カリフォルニアのプレミアムワインにも通ずるところがあります。凝縮感ありながら癖のないはちみつは、熟成チーズに添えて、ワインと楽しんで欲しいです。最も美味しい状態で味わって欲しいから、試食用の木製の匙も自作なのだそう。信念を貫く姿、素敵です。

長野県北部、信州中野の果物や野菜を販売する「てんびん屋」。手に持っているのはリンゴだけれど、「ワインなら長野も頑張ってます! 『星ノ実ぶどう』というワイン用ブドウ品種の干しブドウも、地元から出ています。おつまみにもいいですよ」と元気よく、地元愛溢れるトーク。車で来ているから試飲はできないけれど、カリフォルニアワインお勧めします!と。言ってくださいました。

文・写真:近藤さをり