バレンタインチョコレート。人生経験を重ねた大人にとっては、もはや愛の告白ツールではないかもしれません。大切な人と共にワイングラスを傾けながら、じっくり味わう、そんな大人ならではの愉しみを追求してみませんか?

ペアリングを提案するのは、「YES. SHE KNOWS」のショコラティエ、石井秀代さん。ひと粒のチョコレートをふたつに切り分けて、ひと口齧っては、ひと口飲む。その相性について語り合いながら、多層的な味わいを楽しめるよう、ひと粒の中で上と下の層の味やテクスチャーに変化を付けたり、ゆっくり味わっても中身が溶け出さない設計にしています。食通の深い知識と感性に基づいて、思い思いの組み合わせができる余白を持たせるため、敢えて材料にお酒は使わないのだとか。

そんな石井さんにカリフォルニアワインに合わせるポイントを聞きました。例えば、名前もラベルデザインもストレートど真ん中な「ハッピー・バレンタイン ジンファンデル 2017」。渋みが穏やかで、ジャムのような果実の凝縮感のあるワインです。これには、ダマスクスローズにラズベリーを合わせたチョコレート「ウェヌス」がお勧めとのこと。試してみると、凝縮感の後ろに隠れていたワインのフレッシュな果実の酸味が引き出されて、また次のひと口が欲しくなる。口福の無限ループに填まりそう。まさに、幸せな時間を分かち合う大人の遊びと言えます。

「ハッピー・バレンタイン ジンファンデル 2017」は、ストーンヘッジ・ワイナリーが地元ナパ・ヴァレーの契約農家のブドウから造った、コストパフォーマンス抜群のワイン。「YES. SHE KNOWS」のペアリングシリーズは、6種類。6個入りと4個入りがあります。

異色のショコラティエ、石井秀代さん。料理家として活動し、日本初のオリーブオイルソムリエの資格も取得。ショコラティエとなってからは、ここで挙げているペアリングチョコレートの他、オリーブオイル使用のビーガンチョコレートなど、新たな分野を切り拓いています。

室温に戻してから半分にカットして、それを更に、二口、三口と味わいます。様々な素材が薄く重なり合うチョコレートの層は、齧る場所によって味わいもテクスチャーも異なり、多重的なレイヤーとなって口の中での変化を楽しむことができます。

ワインの情報はこちらから↓
https://www.v-yamazaki.co.jp/shop/g/gXC09-02A/

チョコレートの情報はこちらから↓
https://yes-sheknows.com/

●文:近藤さをり
●写真:小松勇二