カリフォルニアワインといえば、太陽の恵み=ブドウをグラスいっぱいに詰めたもの。これ実はあたりまえじゃなくって、「ならでは」なんです。

ワインがブドウを原料にしたお酒だというのは、たいてい皆さん知っていることですが、意外と知られていないのは、「新鮮なブドウだけで造っている」というところ。例えばビールや日本酒では、その元になる麦や米に水をたっぷり加えますが、ブドウだけしか使わないワインは、まさに「何も足さない&引かない」お酒なのであります。

実にシンプルにできちゃうので、人間がまだほとんどお猿さんだったころから、飲まれていたという説もあるぐらいです。

だからこそ、ワインでは原料ブドウのクオリティーが命。その点で、カリフォルニアは世界一恵まれているかもしれません。果物ならなんでもおいしくできちゃう土地柄で、中でもブドウ&ワインは、最大の特産物。太陽がいつもさんさんと降り注ぎ、カラっとしていて、ほどよく暖かくて涼しいその気候は、「気持ちいい!」ことこの上なしで、それはブドウにとっても同じなんです。

カリフォルニアには「黄金州 Golden State」というニックネームがありますが、ブドウ&ワインにとっても黄金郷なのでした。

●文:立花峰夫
●写真:Purple grapes in a glass, Milton Halberstadt Papers and Photographs, D-468, Special Collections, UC Davis Library